Gionee(ジオニー)中国四大スマホメーカーに続く存在

Gioneeは中国で生き残ることができるか

Gioneeは何度もご紹介している通り、四大メーカーの次あたりに位置するスマートフォンメーカーです。
独自色の強い端末を作ることもあれば、トレンドのど真ん中を行くようなモデルも発表する。何か一貫性が無いようにも見受けられます。
ただ、実はひとつ、Gioneeが本当に筋を通している部分があります。それはユーザーのニーズ応えるということです。
Gioneeの製品は、ユーザーへの回答です。大きなバッテリー容量を持つマシンが欲しい、セキュリティー性能に優れた端末が欲しい。
ユーザーは贅沢で、しかもわがままです。
もちろんGioneeは、ユーザーの声を聞くだけではなく、様々な努力をして、激しいスマートフォン市場を生き抜こうとしています。
他メーカーもユーザーからのフィードバックを取り入れた商品開発は当然やっていますが、特に新興国市場で力を付けてきたメーカーは、
製品やサービスのローカライゼーションが得意です。
インドを中心とした、新興国市場重視のビジネス展開は、中国国内市場における過熱する競争から、少し距離を置いているようにも見えます。
かといって、中国国内で戦う意思はしっかり持っています。
 
2017年11月の新モデルの発表では、多くのハイテクが搭載された国内向けハイエンド機種の姿がありました。
これから中国のスマートフォン市場は、四大メーカーにAppleを加えた五大メーカーが、シェア争いを繰り広げていくというのが大方の予想ですが、
この動きに待ったをかけるべく、活発な動きを見せているのが最近のGioneeだと言えるでしょう。
 
中国のスマートフォン市場は、まだ戦国時代のまっただ中です。シェアのランキングは、毎月、変動します。
四大メーカー、そしてSamsungのような世界的スマホメーカーにとっても、この中で生き残ることはかんたんなことではありません。
Gioneeには、資金面で苦労しているという報道もあります。
新しいラインアップ発表直後でしたが、William Lu氏が保有する同社の株式41.4%に対する保全命令が、広東省の裁判所から出たということです。
本来であれば、新しいラインアップの発表も、もっと早い時期に行いたかったのではないかと考えられます。
ベゼルレスということを考えれば、他メーカーに先を越された感は否めません。
Gioneeは台湾の半導体商社と多くの取り引きがあり、台湾内の取引業者に緊張が走っているとの情報もあります。

このような報道の真偽に関しては、現在のところ不明ですが、台湾の取引業者の中には、「半年前からおかしいと感じていた」との声も上がっています。
ただ、台湾の半導体業界が取り引きしているのはGioneeだけではありません。
中国のスマートフォン市場は、激しい競争が繰り広げられてはいるものの、昨年はついにマイナス成長を記録するなど、さすがに一時の熱狂は収束しています。
Gioneeは、2016年の一時、出荷台数でXiaomiに200万台の差まで迫ったことがあります。
しかし、その後にも今回報道されたような資金難があり、新しいモデルの発表に影響を与えました。
Gioneeにとって、このような資金繰りの悪化は命取りになる可能性があります。
中国のメーカーも、AppleやSamsungといった海外勢も、巨額の投資をして、ユーザーが欲しがる機能の開発に力を注いでいます。
Gioneeの場合は、これらのメーカーより明らかに格下となるわけで、もしも報道が真実であれば厳しいと言わざるを得ないでしょう。
Gioneeが2018年上半期に、中国国内市場でどの程度の位置に食い込んでくるのか、注目したいところです。